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Lambis Vassiliadis


  Lambis Vassiliadis plays Franz Liszt

【邦訳タイトル】ランビス・ヴァシリアディス・プレイズ・リスト
【演奏者・録音】ランビス・ヴァシリアディス 1997年
【カタログ番号】KOCH Discover DICD 920499(輸入盤) 
 1.バッハの主題による幻想曲とフーガ S.529(リスト)
 2. メフィスト・ワルツ1番(リスト)
 3. 「リゴレット」より演奏会用パラフレーズ S.434(ヴェルディ=リスト)
 4. ハンガリー狂詩曲12番(リスト)
 5. 超絶技巧練習曲4番「マゼッパ」(リスト)
 6. 「美しき水車小屋の娘」より 水車小屋と小川 S.565-2(シューベルト=リスト)


 ジェローム・ローズやジェームス・トッコに学ぶギリシャ人ピアニスト。一般的な解釈に縛られず、個性的な演出を織り込んできます。ただ、表現上の発意とメカニカルの限界との兼ね合いはしっかりと折り合いがついていて、どちらかというと奏者の堅実な志向性が目立っているように思います。
 ヤマハのピアノでガリガリと音を捻り出している幻想曲とフーガは異常に力がこもっています。両手オクターブ奏法は美麗です。メフィストワルツは随所で行き当たりばったりのアプローチを見せる他、後半の跳躍部分でやたら安全運転になったり突然分離の悪さを見せたりと、全体としてみればイマイチ評価できません。リゴレットパラフレーズは細かな改変がいくつかあって気が散りますが、技巧的なパッセージは安定しています。ハンガリー狂詩曲はデュナーミクがハマっていて、全トラック中で最も居心地よく感じます。マゼッパは重苦しい表現を基調としているという意味でトラック1と同様に手堅く、テンポを抑えてフォルティシモで聴かせる手法です。水車小屋と小川はメロディーラインが押し付けがましくなく、好感が持てます。出来不出来にバラつきはありますが、なんとなく他の作品も聞いてみたいと思わせるピアニストです 。

 




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