Franz Liszt...con bravura! played by Rolf Plagge 
【邦訳タイトル】フランツリスト…コン・ブラヴーラ!
【演奏者・録音】ロルフ・プラッゲ 1995年
【カタログ番号】TACET 40(輸入盤)
1. ポルティチの唖娘による華麗なタランテラ(オベール=リスト)
2. コンソレーション2番(リスト)
3. メフィスト・ワルツ1番(リスト)
4. コンソレーション3番(リスト)
5. 2つの演奏会用練習曲2番「小人の踊り」(リスト)
6. コンソレーション1番(リスト)
7. パガニーニ大練習曲3番「ラ・カンパネラ」(リスト)
8. 愛の夢3番(リスト)
9. 巡礼の年第2年補遺1番 ゴンドラを漕ぐ女(リスト)
10. 巡礼の年第2年補遺2番 カンツォーネ(リスト)
11. 巡礼の年第2年補遺3番 タランテラ(リスト)

90年にドイツ人で初めてチャイコフスキーコンクール優勝を果たしたプラッゲ。他にシマノフスキの作品集、など出していますが、日本では特に知名度がありません。
初回に通しで聴いた時の印象は「ダイナミクスに乏しく、ひたすらつまらない」というものでしたが、音量を上げてよくよく聴いてみると、腕利きの切迫演奏であることに気づきました。特に1曲目、ポルティチの唖娘による華麗なタランテラの演奏は良質の超絶的技巧が遺憾なく発揮されていて、シフラの爆演とは対照的な正当アプローチが印象的です。並みの練習曲よりもよほどボロが出てしまうようなハイリスクの細かい音列を、サクサクとクリアしていく軽快さ、それに併せ、小回りの効くルバートが冴えています。完成度もさることながら、録音数が極端に少ないので、非常に珍重する録音と言えます。メフィストワルツ、ラ・カンパネラ、巡礼の年のタランテラ等、巨匠たちのリリシズムと比較すると分が悪いですが、懲りすぎた俗っぽさない点で、とても聴きやすいでしょう。 コンソレーションや愛の夢といった選曲も配色を楽しめるような付加価値に行き当たりませんが、健康的なリスト好きの心をくすぐる一枚です。
|