presenting Francesco Libetta
【邦訳タイトル】フランチェスコ・リベッタの芸術
【演奏者・録音】フランチェスコ・リベッタ 2000年
【カタログ番号】VAIA 1196(輸入盤)
1. ガリアルダ(ガリレイ=レスピーギ)
2. シチリアーナ(不詳=レスピーギ)
3. フランス風のカンツォン (ジェズアルド)
4. 練習曲5番(Op.10-3)「左手のための」(ショパン=ゴドフスキ)
5. 練習曲47番(Op.10-5とOp.25-9)「冗談」 (ショパン=ゴドフスキ)
6. ラ・ヴァルス(ラヴェル)
7. 版画1番 塔(ドビュッシー)
8. 版画2番 グラナダの夕暮れ(ドビュッシー)
9. 版画3番 雨の庭(ドビュッシー)
10.「タンホイザー」より夕星の歌 S.444 (ワーグナー=リスト)
11.「ファウスト」のワルツ S.407(グノー=リスト)
12. マズルカ49番(ショパン)
13. 練習曲 Op.52-6「ワルツ形式の練習曲」(サン=サーンス)
14. カンツォン(モンポウ)

超絶技巧の名手として活躍中のリベッタによるライブ選曲。原作曲者不詳のものからお約束のアンコールピースまでキッチリ含まれている嬉しい一枚です。
さて肝心の演奏ですが、全体的に(特に左手の)タッチが軽過ぎて輪郭がぼやけています。迫力不足とはまた違うのですが、打鍵が浮つく感じでどことなく不安定です。古典的な楽曲に関しては分離の悪さも見られ、たどたどしい箇所さえあります。基本的にメゾフォルテ志向で強弱表現も控えめ。勝負どころのファウストワルツはオクターブが手についておらず、かなり派手にミスタッチを連続します。グリッサンドや半音階も粗削りで、技巧的な意味で絶対的な不足感を残します。
ただ、さすがに評判のショパン=ゴドフスキの練習曲ではアムラン盤にないポリフォニー感覚がしっかりと伝わってきます。アンコールで弾かれた十八番のワルツ形式の練習曲に至っては金字塔的な演奏であるデュシャーブルに並ぶ俊足のアレグレット。文字通りワルツの風情を匂わせるわけではなく、ピアニッシモに頼りすぎている感はありますが、三度の連続部分を超高速で駆け抜けていく快速感は見事です。リベッタに関しては、選曲に関わらず性分というものが色濃く反映されます。
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