LISZT : Etudes d'execution transcendante - Claire-Marie le guay
【邦訳タイトル】リスト:超絶技巧練習曲集
【演奏者・録音】クレール=マリー・ル・ゲ 1994年
【カタログ番号】ACCORD 461 820-2(輸入盤)
1. 超絶技巧練習曲1番「前奏曲」(リスト)
2. 超絶技巧練習曲2番(リスト)
3. 超絶技巧練習曲3番「風景」(リスト)
4. 超絶技巧練習曲4番「マゼッパ」(リスト)
5. 超絶技巧練習曲5番「鬼火」(リスト)
6. 超絶技巧練習曲6番「幻影」(リスト)
7. 超絶技巧練習曲7番「英雄」(リスト)
8. 超絶技巧練習曲8番「狩」(リスト)
9. 超絶技巧練習曲9番「回想」(リスト)
10. 超絶技巧練習曲10番(リスト)
11. 超絶技巧練習曲11番「夕べの調べ」(リスト)
12. 超絶技巧練習曲12番「雪嵐」(リスト)

技巧的な作品に対してのアプローチに定評があり、近年快調に知名度を上げているフランス人ピアニスト。オーソドックスな解釈と広く融通の利く音色配置が魅力で、刺激的な要素に頼りきらない強みがあります。
2番はデモーニックな雰囲気こそありませんが、随所に見られるアグレッシブな快速ダッシュが爽快です。5番は標準をやや下回るテンポですが、主題における右手重音の浮遊感に個性が出ます。もう少し主題と鮮烈な展開部分の対比があると、なお良さそうです。個人的には当盤一番の注目が4番マゼッパ。骨格が明瞭に描出された統一的リズム感と薄めのペダルが効を奏し、ありがちな和声の混濁が見事に回避されています。余裕あるオクターブに裏付けられた7番のスケール感。9、10番での音色の広がりと微細な間隙の使い方も好印象です。12番も下部の轟音をやたらに掻きむしるような弾き方ではなく、ピアノ本来の「唸り」を上手く利用しています。3、11番は全体にやや急ぎ足ですが、自然な呼吸と間断なき美しいレガートが新鮮です。
女性らしい優麗なタッチ、繊細なアーティキュレーション等、楽しめる仕掛けが散りばめられています。女流の超絶技巧練習曲集としては、広く聴かれたい一枚です。
|