LISZT・DEBUSSY・POULENC・SATIE - KUN WOO PAIK
【邦訳タイトル】リスト、ドビュッシー、プーランク、サティ
【演奏者・録音】クン・ウー・ペク 1990年
【カタログ番号】Virgin 7243 5 61757 2 3(輸入盤)
DISC1 ――――――――――――――――――――――――――
1. メフィスト・ワルツ1番(リスト)
2. 巡礼の年第1年2番 ヴァレンシュタットの湖畔で(リスト)
3. 巡礼の年第1年4番 泉のほとりで(リスト)
4. バッハの主題による幻想曲とフーガ S529(リスト)
5. 愛の夢3番(リスト)
6. ハンガリー狂詩曲12番(リスト)
7. 巡礼の年第3年4番 エステ荘の噴水(リスト)
8. 詩的で宗教的な調べ3番 孤独の中の神の祝福(リスト)
DISC2 ――――――――――――――――――――――――――
1. 8つのノクターン1番 FP56 (プーランク)
2. 8つのノクターン5番「蛾」(プーランク)
3. 8つのノクターン6番 FP56(プーランク)
4. プレスト 変ロ長調 FP70(プーランク)
5. 15の即興曲10番「音階を讃えて」(プーランク)
6. 15の即興曲12番「シューベルトを讃えて」(プーランク)
7. 15の即興曲15番「エディト・ピアフを讃えて」(プーランク)
8. 間奏曲2番 FP71(プーランク)
9. ピアノために1番 前奏曲(プーランク)
10. ピアノのために2番 サラバンド(プーランク)
11. ピアノのために3番 トッカータ(プーランク)
12. グノシエンヌ4番(サティ)
13. グノシエンヌ5番(サティ)
14. 4つのオジーヴ1番(サティ)
15. 4つのオジーヴ2番(サティ)
16. 自動記述法1番 船について(サティ)
17. 自動記述法3番 兜について(サティ)
18. あらゆる意味にでっちあげられた数章1番 おしゃべりな女(サティ)
19. でぶっちょな木製人形のスケッチとからかい3番 エスパニャーニャ(サティ)
20. ひからびた胎児2番 甲殻類の胎児(サティ)
21. ひからびた胎児3番 柄眼類の胎児(サティ)
22. ベルガマスク組曲2番 月の光(サティ)
23-25. 3つの無窮動1~3番(プーランク)
26-28. ジムノぺディ1~3番(サティ)

クン・ウー・パイクの名で知られる韓国人ピアニスト。知名度はさほど高いように思いませんが、水面下では実力派としての名声を博しているようです。
1枚目。左手のメカニックはやや弱いようですが、基本的に細部があやふやになることはなく、隅々まで意識が行き届いています。ただ、高音程のフォルテシモがとにかく汚いということと、(録音に原因があるのかわかりませんが)不快な破裂音が無遠慮に頭に響く2点が難点です。特に愛の夢、ハンガリー狂詩曲12番、エステ荘の噴水のフォルティシモ部分など、残されるべき緩衝材が全て取り払われてしまったような音に思わず顔をゆがめてしまいます。もう一点は弛緩部分での「遊び」がほとんどないという点。粒揃いも良く、間のとり方も申し分ないのですが、過度に芸術性を求めるあまりに没個性のきらいがあります。2枚目も基本的に前述の2点が当てはまるように感じます。プーランク、サティ、いずれも攻撃性が強く、濃淡が必要以上に強調されています。もう少し左手を工夫し、はじくような発作的なフォルテを控えると、全体的に柔和な重厚感を得られるかもしれません。
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