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Romain Herve



  LISZT : PIANO WORKS - Romain Hervé

【邦訳タイトル】リスト:ピアノ作品集
【演奏者・録音】ロマン・エルヴェ 2004年
【カタログ番号】CALLIOPE CAL9349(輸入盤)
 1. カンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」BWV.12の主題による変奏曲 S.180(リスト)
 2. 伝説1番 小鳥に語りかけるアッシジの聖フランチェスコ(リスト)
 3. 伝説2番 波を渡るパオラの聖フランチェスコ(リスト)
 4. 巡礼の年第2年補遺1番 ゴンドラをこぐ女(リスト)
 5. 巡礼の年第2年補遺2番 カンツォーネ(リスト)
 6. 巡礼の年第2年補遺3番 タランテラ(リスト)
 7. 超絶技巧練習曲11番「夕べの調べ」(リスト)
 8. ハンガリー狂詩曲6番(リスト)


 経歴を見ると大物ピアニストの名前がツラツラと出てくるのですが、フランソワに薫陶を受けたこともあるとのことです。演奏内容は一言で言うと「外見そのまま」です。屈強な打鍵に男気が漲っています。豪快な両手オクターブ昇降で見せ場を作るセンス、強弱折り返しのバネ、不安定になりがちな同音連打もバランスよく処理されており、コンクール一発で世に出る若手からは一つ抜きん出ている印象です。各曲ともわずかにボルテージを上げていくような馬力のかけかたも特徴と言えるでしょう。ただ、表現力に関しては少し不得手な面も感じられます。バッハの変奏曲ハンガリー狂詩曲6番は輪郭がくっきりした快演ですが、伝説2番では突出した角々しさが波のイメージから離れます。夕べの調べは、音楽性そのものよりも造形美にかけるナルシチズムが首をもたげます。熟達ぶりは確かなのですが、どこか聴衆不在な感覚がします。奏者の公式サイトにいくつか動画と録音が置いてあります。

 

 

 




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