Liszti - Ab Irato 
【邦訳タイトル】リスト・怒りを込めて他(リスト生誕200年記念)
【演奏者・録音】福間洸太郎 2010年
【カタログ番号】ACCUSTIKA PPCA-613(国内盤)
1. パガニーニ大練習曲1番(リスト)
2. パガニーニ大練習曲2番(リスト)
3. パガニーニ大練習曲3番「ラ・カンパネラ」(リスト)
4. パガニーニ大練習曲4番(リスト)
5. パガニーニ大練習曲5番「狩り」(リスト)
6. パガニーニ大練習曲6番(リスト)(リスト)
7. 3つの演奏会用練習曲1番「悲しみ」(リスト)
8. 3つの演奏会用練習曲2番「軽やかさ」(リスト)
9. 3つの演奏会用練習曲3番「ため息」(リスト)
10. 仕上げのための練習曲「怒りをこめて」(リスト)
11. 2つの演奏会用練習曲1番「森のざわめき」(リスト)
12. 2つの演奏会用練習曲2番「小人の踊り」(リスト)
13. スペイン狂詩曲(リスト)
14. 愛の夢3番(リスト)

今回は不遇の佳作をアルバムタイトルにした意欲的なリスト集です。多少の瑕はいとわない伸び伸びとした快速テンポ。時代に迎合しない間の取り方に吸い寄せられます。パガニーニ大練習曲の2番、4番、5番などをテクニカルなスタッカートをふるって軽やかに弾きこなしたかと思えば、悲しみではしっかりとアゴーギクを駆使して歌いあげるセンスがあり、一本調子でないところも好感です。国内では全く録音に恵まれない怒りをこめての”怒り”の表現は特に素晴らしく、正攻法の録音に限局して言えば世界的に見ても金字塔と言って差し支えない出来ではないでしょうか。小刻みに震えながらメタモルフォーゼを続ける両手和音の旋律、さまよえる連続スケールを最高のバランスで弾き切っています。個人的に2011年に行われた同曲を含むプログラムのリサイタルに足を運ばなったことが悔やまれます。また、一見小ぶりですが、小人の踊りで見せる女性顔負けの繊細さも大きな魅力です。ベーゼンドルファーということもあり、全体を通してエッジの効いた低音が映えます。これを機に是非ともS.214-1(華麗な大ワルツ)など、山のようにあるリストの佳作に挑戦してほしいところです。
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