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Gabor Csalog



  FERENC LISZT AND GYORGY LIGETI - Gabor Csalog

【邦訳タイトル】リストとリゲティ:超絶技巧練習曲
【演奏者・録音】ガボール・チャローグ 2003年録音
【カタログ番号】BMC-095(輸入盤) 
 1. 超絶技巧練習曲1番「前奏曲」(リスト)
 2. 超絶技巧練習曲2番(リスト)
 3. 練習曲1番「無秩序」(リゲティ)
 4. 練習曲2番「解放弦」(リゲティ)
 5. 超絶技巧練習曲3番「風景」(リスト)
 6. パガニーニ大練習曲4番(リスト)
 7. 練習曲10番「魔法使いの弟子」(リゲティ)
 8. 2つの演奏会用練習曲1番「森のざわめき」(リスト)
 9. 練習曲7番「悲しい鳩」(リゲティ)
 10. 超絶技巧練習曲12番「雪嵐」(リスト)
 11. 練習曲6番「ワルシャワの秋」(リゲティ)
 12. 練習曲5番「虹」(リゲティ)
 13. 超絶技巧練習曲11番「夕べの調べ」(リスト)
 14. 練習曲11番「不安定なままに」(リゲティ)
 15. 怒りをこめて S.143(リスト)
 16. 練習曲13番「悪魔の階段」(リゲティ)
 17. 練習曲14番「無限柱」(リゲティ)


 選曲と曲順にこだわりあるユニークな仕上がりです。通り一遍の作曲家選集よりも、こういう企画盤はどんどん増えて欲しいところです。
 アクセルとリタルダンドの美しさが、ホールの響き、臨場感でたっぷりと生かされています。雪嵐夕べの調べはピアニッシモからうっすらと立ち昇る音色が多彩で、高雅な情緒感で満たされます。森のざわめきにおける旋律の浮き出し、半分だけ開放されたようなルバートなど、凡そにおいて音楽的な引き締まりを見せますが、最高音の打鍵が抜け切りません。1トラック目から明らかなように、鍵盤の頂点に従うにつれて音は弱々しく、舌足らずに感じられます。団子状態とまでは言いませんが、最終音列が曖昧になる処理を不満に感じる人は多いでしょう。どちらかというと印象派主義的な奏法、音楽を揺らぎで表現するタイプです。スパイスはやはりリゲティの諸作品でしょう。不気味な音程を十二分に楽しめる音響と、良質のメカニックに支えられた高速パッセージの転落が興味を引きます。緻密さはありませんが、全体像に奏者の音楽志向性がはっきりとした演奏が並んでいます。

 




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